【ラウンドテーブル】Zone A(学校)子どもたちのコミュニティを支える教師のコミュニティー校種を超えて教育を協働するーのご案内

Zone A(学校)
子どもたちのコミュニティを支える教師のコミュニティ―校種を超えて教育を協働する―
  
 いま、教育をめぐる現状は目まぐるしく変貌しています。新しい学習指導要領では、急速なグローバル化と情報化、そして超高齢化する2030年の社会を見据えた教育のあり方が議論され、アクティブラーニングを始めとした新たな方法の必要性が叫ばれています。たしかに、これからの社会で生きる子どもたちに対して、私たちのこれまでの価値観や経験をそのまま教えていくことができないのは明らかです。しかし正直なところ、これからの学校教育において私たちは何をどうすれば良いのか、雲をつかむような手応えの中で焦りと不安ばかりが募るのも事実ではないでしょうか。
 私たちの誰も経験したことがない教育を求められる今の学校現場では、教師一人の力で全てに対応することに限界があります。であれば、他者と一緒に考えていくしかありません。これまでZone Aが「子どもたちのコミュニティを支える教師のコミュニティ」をテーマとしてきた理由は、まさにここにあります。そして、継続したセッションの積み重ねを経て、教師同士が語り合い、聴き合い、ビジョンを共有して実践する、協働の重要性が浮かび上がってきました。不透明な社会を生きる子どもたちを支える教師にとって、言わば「協働する教育」こそが、その根幹をなすあり方ではないかということが、おぼろげに見えてきたわけです。
 一方で、これまでのセッションでは、同じ学校内の教師コミュニティに着目するあまり、協働を横のつながりとして限られた時間軸の中でのみ捉えがちでした。そのため、校種を超えた、より広い時間軸の中で協働を捉える視点はこれまで欠けていたように思います。しかしながら、2030年の社会に生きる子どもたちへの学びを考えていく上では、子どもたちの発達をより広い枠組みから考え、言わば縦のつながりから教師コミュニティの協働を検討していくことは必要不可欠です。将来を見据えた時、私たち教師は今どういう市民(シティズン)を育てているのか、そうした子どもたちの長期的なビジョンを教師コミュニティで共有することが求められるからです。
 そこで、今回のラウンドテーブルでは「校種を超えて教育を協働する」というサブテーマを掲げ、これからの日本社会を生きる子どもたちを育てていく上で、校種間の協働によって何ができるのかを話し合っていきたいと考えています。昨今の教育改革においては、校種間のつながりは大学進学を目的としたものとして、また、協働というキーワードは生徒同士学びを意味するものとして、それぞれ捉えられてきたように思います。しかし、校種の違いを超えて教育を考えていくことは、狭義の連携や協働を超えた実践的意義を、2030年を見据えた教育のあり方を、そして焦りと不安の中にいる私たち教師への一つの指針を、教師コミュニティにもたらしてくれるのではないか。そうした期待を私たちは抱いています。ラウンドテーブルを通して、「校種を超えた教育を協働する」この可能性について皆さんと深めていくことができればと考えています。
 
SessionⅠ ポスターセッション 13:10-14:10
 福井県内外の小学校・中学校・高校・特別支援学校から,「教育を協働する」実践についてポスター報告が行われます。ポスター報告にもとづき,各校及び参加者で互いの実践を交流します。
 発表予定(交渉中):高志高・西先生、勝山市内小中(英語連携に関する実践)、豊小・上島先生、
           麻生津小(保幼小連携について)、幼児教育センター・勸先生
           奈良女・塩川先生/佐藤先生、富士市立中・眺野先生、安居、至民、附属など
 
SessionⅡ シンポジウム 14:20-15:50
 「校種を超えた教育を協働する」というテーマについて,それぞれの実践やビジョンを語っていただきます。さらにコメンテーターを通して,参加の皆さんとともに実践の意義について考えていきます。
 〈シンポジスト〉  和歌山県立桐蔭中高・岸田校長、長崎附属小中担当先生
 〈コメンテーター〉 白梅学園大学・無藤隆教授
 〈コーディネーター〉福井大学附属小・青木先生
           (シンポジスト・コメンテーターの発表時間は約20分を予定)
  
SessionⅢ フォーラム 16:00-17:40
 先の2つのsessionを受け,参加者が小グループに分かれ,それぞれの立場や背景を基盤として議論し,共有していきます。それぞれの参加者が、校種を超えたコミュニティや協働について日々,感じていることや悩んでいることについて,本音を交えてじっくりと語れる場にしたいと考えております。